サンショウウオを成体から飼い始める人は、少なくほとんどが卵から孵化した幼生だと思います。

そのサンショウウオの幼生の頃に罹りやすい病気について説明していきます。

感染症

感染症は、細菌や真菌、寄生虫などの病原体が感染して引き起こす病気です。

輸送によるストレスや不適切な飼育、水質、湿度、温度、光周期、床材、過密飼育、飼育種の組み合わせ、シェルター、栄養などの不備により、免疫力が衰えたときに症状が表面化します。

治療方法は、とにかく不適切な飼育をできるだけ正して免疫力の回復を図りながら、足りない分を薬などを使ってサポートすることです。

寄生虫感染

サンショウウオさえいれば繁殖できるタイプの寄生虫は、狭い水槽は子孫繁栄に好都合であり、狭いほど感染源に接触する機会が多く再感染しやすいので、どんどん数を増やしていきます。

飼育下のサンショウウオは、この例のようにバランスの崩れた不自然な寄生状態に置かれています。

ただし、不自然な寄生状態でも、健康面にはほとんど悪影響が現れない場合が多いので、過度な心配は不要です。

日常の世話の中でフンや脱皮殻などの感染源をなるべく早く水槽から取り出し、再感染の機会を少なくするよう努めます。

掃除を長い間怠ったり、不適切な飼育でサンショウウオが弱ったとき、また、大きな環境変化の直後は、寄生虫が猛威をふるい、深刻なダメージを及ぼすことがあります。

その他の病気

気泡症

眼球や皮膚のすぐ下に小さな気泡を生じます。

ひどくなると、浮力のためうまく泳げなくなったり水面に浮いたまま潜れなくなったりします。

気泡は毛細血管の塞栓や破裂を引き起こし、皮膚の壊死、敗血症という順に悪化して、最終的には浮いたまま亡くなってしまいます。

原因のひとつは、高すぎる水温です。

サンショウウオ 幼生 病気

栄養障害

栄養障害の代表的なものが、カルシウム、リン、ビタミンD3の過不足による低カルシウム血症や代謝性骨疾患です。

低カルシウム血症の主な症状は次のとおりです。

筋肉のけいれん、ひきつけ。

腸内ガスによるむくみや浮腫、腹水

胃、腸、総排出腔などが飛び出る

代謝性骨疾患の主な症状は次のとおりです。

下あごの奇形

手足を広げるなど、不自然な姿勢をとる

背骨が曲がる

動くことを嫌がる

大腿骨や上腕骨などの骨折

次の3種類の栄養の過不足が、これらの病気の主要な原因となります。

カルシウム 、リン 、ビタミンD3

カルシウムとリンは、「骨」の主成分であるリン酸カルシウムを構成する欠かせないミネラルであり、また、カルシウムは筋肉の収縮に必要なミネラルでもあります。ビタミンD3は、腸管におけるカルシウムの吸収や、腎臓におけるカルシウムの再吸収を促進する働きがあります。

対策

何よりも、まずは普段の給餌において餌となる虫に直接ビタミンやミネラルを食べさせて、あらかじめ体内に栄養を蓄積させた上でサンショウウオに与えるという方法が有効です。

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まとめ

サンショウウオの幼生が罹りやすい病気がよく分かったと思いますので、立派な成体に育て上げるためにも十分気を付けてあげてください。

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