春先に、池や沼で卵が詰まったゼリー状の透明な袋を見た事がありませんか?
それらは両生類が産んだ卵嚢で、サンショウウオの卵という事もあります。
実は卵嚢の形状で、サンショウウオの卵を見分けるだけでなく、ある程度の種類の予測だって出来てしまいます。
今回は、サンショウウオの卵の形状と、その違いによる種類の見分け方を紹介していきたいと思います。
流水性と止水性
本題に入る前に、サンショウウオが卵を産む環境の違いにより、2つのグループに分ける事が出来ます。
渓流等といった流れのある水域に卵を産むサンショウウオを流水性、池や沼、田んぼ等の水の流れが少ないもしくはない水域に卵を産むサンショウウオを止水性と呼ばれます。
大まかではありますが、卵の形状でこの2グループのどちらかのものかがわかってしまいます。
サンショウウオの卵の形状
サンショウウオの卵は、4つの形状に分ける事が出来ます。
まずはアケビ型と呼ばれる、文字通りアケビの果実のような形をしております。
餅のような白い色をしており、通常は中の卵を見る事が出来ないようになっております。
続いて、バナナ型と呼ばれる形状で、長さは長いものから短いものまで様々です。
3つ目はコイル型と呼ばれるもので、細長い紐を巻いたような形をしております。
長さはそれほど長くないので、ヒキガエル等の卵との見分けは容易です。
最後にヤマブドウ型と呼ばれる、普段では滅多にお目にかかれないものです。
なぜ滅多に見れないのかは、後ほど書き記したいと思います。
卵の形状による種類の見分け方
先程紹介した卵の形状で、ある程度の種類を切り分けることが出来ます。
アケビ型の卵はクロサンショウウオ特有の卵の形状となりますので、これを見ただけですぐにクロサンショウウオの卵であると判別が出来ます。
次にバナナ型ですが、ハコネサンショウウオを除く全ての流水性のサンショウウオがこの形状の卵を産みます。
その他に4種類の止水性のサンショウウオもバナナ型の卵を産みます。
続いてコイル型ですが、こちらは上記で述べた4種類の止水性を除く全ての止水性のサンショウウオがこの形状です。
最後に、ヤマブドウ型はハコネサンショウウオ特有の卵の形状となります。
ハコネサンショウウオは河川源流部の崖の奥や大きな岩の裏に出産をするので、目にする事が非常に困難です。
ちなみにオオサンショウウオは上記4つのどの形状にも当てはまらず、数珠のような長い紐状となっております。
まとめ
本当に大雑把ではありますが、卵の形状である程度の種類を切り分ける事が出来ました。
そもそも水の流れがある所で見つけた卵は流水性のもので、水の流れがない所で見つかったものは止水性じゃんと言われたらそれまでなのですが。
それでも、これを知っていると写真を見ただけでもある程度判別が出来るので、友達に雑学として自慢げに教える事が出来ますよ。