春に池や沼を覗いてみると、オタマジャクシが泳いでいるのを見る事が出来ます。
注意深く見てみると、中にサンショウウオの幼生も紛れ込んでいるという事があります。
たくさんいたら持ち帰って飼ってみたいと思われる方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
そこで今回は、サンショウウオ幼生の飼育方法と、幼生の共食いについて書いていきたいと思います。
サンショウウオ幼生の飼育方法
成体のサンショウウオに言えることですが、高温が苦手な生き物です。
そのため、幼生を入れる水の温度の管理がとても重要となってきます。
水温は20℃以下が好ましいとされておりますので、特に温度が上がる夏場はエアコンを入れて温度を下げる、水槽用クーラーの設置、保冷剤と冷蔵ケースの使用等で温度調節をしてあげなければなりません。
水質悪化にも十分注意をしなければならず、最低でも1週間に1回は水を取り替えて下さい。
餌は、卵から孵って間もない頃はミジンコやブラインシュプリングを食べます。
ある程度成長したら、冷凍赤虫や活赤虫を食べるので、それらを与えると良いでしょう。
次第に成長していくと、手が生え、足が生えてきます。
その後はエラが少なくなり、顔も丸くなって小さくなります。
このような状態になったらそろそろ陸上での生活が始まるので、流木等で陸地を作ってあげます。
サンショウウオ幼生の共食い
先述の通り、温度・湿度管理はもちろんなのですが、幼生時ならではの注意点があります。
それは、共食いをするという事です。
サンショウウオの幼生はとても貪欲で、何でも食べます。
幼生をたくさん買っていると、突出して身体が大きいものも当然現れます。
そういった身体の大きいサンショウウオの幼生は、小さい幼生をも食べてしまいます。
これは飼育下での餌の問題ではなく、自然界でも行われます。
1つの水槽にたくさんの幼生を入れていると、共食いは必然的に発生します。
そうなる事で、集団で強い個体が生き残ります。
それは後々長生きできる個体が選別されたという事になりますので、長生きさせられる可能性が増えたというメリットにも繋がります。
共食いはさせたくないという人は、大きさの異なる個体同士を一緒にしないように飼育をする事により、共食いを避ける事が出来ます。
まとめ
共食いを目撃すると、自然では普通に行われてるとはいえ、げんなりしちゃいそうですね。
幼生を採集する時は、あまり多くを捕まえない事が最善なのかもしれません。
そもそもサンショウウオは個体数が減少傾向にあるので、あまり多く捕らないようにしましょう。
育っていくと手足が生えたりして外見に変化が出てくるので、その観察は面白そうですよね。