サンショウウオの卵嚢は早ければ2月下旬から5月にかけて見つけることができます。
卵嚢が孵化するまでの期間はどのぐらいかかるのでしょうか?
また孵化するにあたり水温、気温など関係があるのでしょうか?
今回は卵嚢が孵化するまでの期間を中心に調べてみました。
卵嚢が孵化する時期について
自然界ではサンショウウオの卵嚢は生息場所の標高と、生息地域、流水性、止水性っで孵化する時期が変わります。
飼育の場合適温は室温~25度ぐらいまでです。
自然界の場合は、寒い日もあり水温も比較的低めですから孵化までに日数がかかります。
産卵から孵化までの日数を求めるには-5×平均水温+79という計算式でおおよそ分かるそうです。
孵化する時期は3月から7月位にかけて孵化しますが、飼育下だと18日~1ヶ月ぐらいで孵化します。
自然界では水深が浅い所にある卵嚢は孵化が早く、水深が深い所にある卵嚢は孵化が遅いと言われています。
卵嚢はモチモチした感じで、産み付けられた後膨らみ親のサンショウウオより大きくなります。
なぜ大きくなるかと言うと、卵嚢には寒天質のアルブミンという物質があり、これが水を吸い大きく膨らみます。
このアルブミンは吸着性が高い物質ですが、水を吸い込んだ時に有害物質が卵に浸透しないように吸着し卵を守っています。
成体になるまで
卵嚢から孵化した後は幼生と呼ばれ、上陸するまで段々と成長します。
食欲が旺盛で餌の量が少ないと、共食いを始めてしまうぐらいです。
孵化したばかりの幼生は前肢のもとになるものが見られます。
また止水性のサンショウウオはバランサーと呼ばれるエラのようなものがあります。
しばらくすると後肢がしっかりしてきます。
上陸をすることになるとエラもなくなります。
まとめ
サンショウウオが産卵してから孵化するまで、半年近くも幅があることに驚きました。飼育下だと水温も一定するので早く孵化するという事ですが、自然界では気温をどうにもする事ができないので孵化までに時間がかかります。また孵化する日数を計算できる式があるのも驚きました。卵嚢には卵を守る物質がある事も初めて知り、生命の神秘だなと思いました。